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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页

青空文庫

もちろんそのとおりで、酪農にもっと力を入れる必要があることには、全く異論がない。しかし問題は、何故米作が現に北海道農民に受け入れられているかという点にある。

結論を先にいえば、米作の方が有利であり、より安定であるからである。熱帯地方の米を北海道で作るのは無理だ、冷害がくれば一たまりもないのにいつまでも懲りずに米を作っているのは、日本人の誤った米に対する執着である。こういう考え方が、一般の通念になっているが、これについては、今一歩を進めて考えてみる必要がある。

第一に不思議なことは、実際に北海道を廻ってみると、上川、空知、石狩などの米作地帯の農村が、他の畑作地帯の農村よりも、概して裕福な点である。冷害で困るのは、米作はもちろんであるが、大小豆などの方がもっと被害が多い。昨年の冷害は、十年来の災害で、米は四分作しかとれなかった。しかし大小豆はもっとひどくて、三分作であった。現在、明日の食糧に困っているのは、畑作地帯の農民で、米作地帯では、それほど困っていない。現に上川地方の農村では、救援米の辞退が多くて、問題を起こしている。

農林省の農業総合研究所の北海道支所では、北海道の主要農産物について、年産額の平均偏差を調べている。