轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くぼたべいさいくんのおもいで
久保田米斎君の思い出
岡本 綺堂
「伝記」1937(昭和12)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,435 字 · 17 页
ですから道具は一度飾っておけば、あとは幕ごとに多少椅子テーブルの位置を替える位に過ぎない。私の見たのは七十日目だということでしたが、外国では半年位続くのは珍しくないそうです。ただその場合に道具の色が変ったりするから、あまり長くなれば上塗をする。まことに簡単とも簡便とも申しようがない。それですから外国の幕間は五分でもいいわけなので、日本の芝居の道具は五分やそこらで飾れるものじゃありません。立木なんかでも外国のは「切出し」といって正面からそう見える板なんですが、日本では本物と同じような丸の木を植えている。それを早く片附けて次のものを早く飾るようにしなければならない。普通の人は前の道具をこわす時間を考えないけれども、つまり手数からいうと二度になるので、幕間五分といっても、二分半でこわして二分半で飾らなければならないのです。そこで舞台装置家はなるべく手のかからぬようにかからぬようにと心がける。念を入れたものが出来ないのは已むを得ません。
役者の顔をつくるのでもそうです。現代劇の方はさほどでもないが、歌舞伎になりますと、五分位で出来るものじゃない。本当にやれば前の顔を洗って地の顔にして、それから次の顔にかかるのですが、とてもそんな時間はないものだから、作った上をちょっとごまかして出ることになる。