轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
「中央公論」1947(昭和22)年1、3~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 页
この二三ヵ月のうちにおこったいろいろのこと、越智と母とのいきさつ、保の生活ぶりとそれにたいする自分のいつも心配な心持、どれも切実なようでいてそのはしばしは、みんな本質的には未解決のまま、伸子にとって手に負えない、現実のくらがりのうちに消えこんでいる。そのわからなさの上に大島のり子の優美に泣きくずれた姿があり、またあのよごれで光った三人の若い青年たちの顔々もある。
いつか動坂の客間の夕やみの中で保の心もちを飛躍させる力のない自分を不本意に苦しく発見したとおり、これまでの伸子の心ひとつでは、自分のわからなさとこんぐらかってしまうだけだったものを、一条の蜘蛛の糸が、細く、しかし決して切れないその光る粘りで、貫きまとめかけているように思えた。それはいろいろが、もっとわかって来た、というのではなかった。反対にいくつも、いくつものわからなさの間を、相川良之介がその時代に向って正直に示した、ボンヤリした不安という蜘蛛の糸が絡みまとめて、そろそろ、そろそろそのしぼりを締めつつあるような心持だった。わかったという方向から湧く力ではなく、ほんとにわからない! としぼりがちぢまり凝集することで、そこからなにかひとつふみ出す力が湧きそうな、痛みと歓喜との入り交った予感が伸子の心をうずかせているのであった。