轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

「中央公論」1947(昭和22)年1、3~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 页

青空文庫

「じゃ、ぶこちゃんのは、あとのこととして――浅原さん、あなたは、ロシア語関係の連絡係になって下さい。たのみますよ」

素子が、蕗子にたのんだ。

「日本語の方のことは、河野さんにたのむから……ねえ、ぶこちゃん、その方がいいだろう。まだあなたの校正だって見て貰わなくちゃならないんだから……」

二三日おいて河野ウメ子に会い、三人で相談した結果、家の始末をつけたら、素子だけ先へ京都へゆき、あとから伸子が出かけてウメ子も京都で落ち会うことにきまった。京都には三人にとって共通な幾人かの友達がいた。それにウメ子の文学上の指導者である須田猶吉はそのころ奈良に住んでいた。

「丁度よござんすわ、奈良へもよれますし……」

とウメ子がいうのも本当だった。

京都で落ちあったら、ある女歌人のやっている地味な宿にとまることにした。

「いいところですよ。鴨川のすぐそばで――座敷から流れが見える」

そこは、先へゆく素子が手はずしておくことになった。伸子はウメ子に最後の校正がのこっている小説のことをたのんだ。

「わたし下手でわるいんですけれど、本当に一生懸命にやりますから」

ウメ子は、美しい上まぶたをつり上げるようにして真実こめていった。