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にかかいそのた

二科会その他

寺田 寅彦

「明星」1925(大正14)年10月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,299 字 · 5 页

青空文庫

わざとらしさが少しけ抜けたせいか、それとも此方の眼が少し教育されて来たせいかもしれない。しかしこういう絵には、そういつまでも同じようなものを描き続け得られないだろうと思わせるある物がある。

院展もちょっと覗いてみた。

近藤浩一路氏は近年「光」の画を描く事を研究しているように見える。ただそれを研究しているという事が何より先に感ぜられるので、楽しんで見るだけのゆとりが自分には出て来ない。

大観氏の四枚の絵は自分には裾模様でも見るようで、絵としての感興が沸いて来ない。氏はいつでも頭で絵を描いているのを多とするが、しかし頭と心臓と両方が出ないとどこか物足りない。

龍子氏ももう少し心臓の方を働かせて描いてほしい。

芋銭氏の絵には時々心臓が働いているように見えるのを頼もしく思う。今年のはあまりはえないが。

心臓もなければ脳味噌さえもない絵の多い事を残念に思う。もう少し数を減らせて、そして絵は下手でもいいから何かしら味のあるアマチュウアの絵でも加えたらどうであろうか。

大きな屏風に梅の化物を描いたのがある。実に不愉快な絵だと思う。不自然の醜さという事のデモンストラチオンに使用されるに恰好なものと思う。