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ごかいのまど
五階の窓
小酒井 不木
06 合作の六(終局)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,512 字 · 43 页
西村の家族の者や社員たちが自殺するような理由はないと言いましても、愛人お蝶にはいっそう深い事情が分かっているはずですから、あながち自殺説は否定できぬと思います。それにしてもあの時、舟木がしかし、しかしだねと言いかけて大切な手がかりを述べようとしたときに艶子があなたの顔をみとめ、桝本が沖田くんの姿を見つけたことは返す返すも残念でしたよ」
「いや、どうも、あれは確かにぼくの失敗でした。あまりに重大なことが訊かれると思って、興奮のあまりわれを忘れて振り向いたのがいけなかったんです。ときに沖田さんは、桝本について西村の娘からどんなことをお訊き出しになりましたか」
沖田刑事は長谷川と冬木刑事との話を聞いて、驚嘆を禁じ得なかった。彼は昨日、掏摸の留公から桝本が西村の死ぬすぐ前に西村を訪ねたことを訊き出し、桝本を怪しいと睨み、桝本を署へ同行して訊問すると、意外にも桝本の口から、お蝶と舟木とのことを訊き出し、それでは舟木が怪しいのかと思って工場へ行って訊ねてみると、舟木は今朝から工場へは出てこないというのであった。してみると、桝本が署長の訊問に答えて、今朝ちょっと工場へ出てみましたが来ていたようでしたと言った言葉は嘘になる。