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ごかいのまど

五階の窓

甲賀 三郎

04 合作の四

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,373 字 · 25 页

青空文庫

未来のことを考えると、絶望が真っ暗な大きな口を開けて待っているだけだった。

社長の死は艶子にも大きな疑問だった。社長は確かに彼女の前に倒れた。しかし、それは彼女の加えた一撃によってであったろうか。野田はいつあの部屋に入ってきたのだろう。社長の倒れたのに野田は無関係だったろうか。社長はあの時にもう死んでいたのだろうか。社長は自分が殺したのだろうか。こんな疑問を艶子は少しも解決することができなかった。野田のことが少しも分からないので、自首していいのやら悪いのやら、それも彼女には分からなかった。彼女は日夜、煩悶するばかりだった。そうして痩せ衰えていくのだった。

*          *          *

表の格子ががらりと開いた。

ばね仕掛けのように飛び上がった艶子は、無意識に縺毛を掻き上げながら耳を澄ました。

「ごめんください」

はっきりした男の声である。家はしーんとしている。小母さんは用たしに出かけたらしい。

艶子は襖を開けて、そっと表を覗いた。

「艶子さんですか」

目ざとく見つけた男は声をかけた。聰明な顔に皮肉な笑みを浮かべた穏やかな男である。