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ごかいのまど
五階の窓
甲賀 三郎
04 合作の四
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,373 字 · 25 页
彼は剽軽な態度で他の社員には無関心に彼女とふざけ、悪口を取り交わした。内心では代償なしならいつでも喜んで彼女を抱擁するのだった。けれども、彼は自己の欲望よりも、彼女を社長に取り持つというほうに重きを置いていた。野田はこれらの二人と違って、三十に充たない青年の一本槍な気持ちで彼女に迫った。
艶子からいうと、社長はいやらしい好色漢だった。いや、彼女にはまだ好色という意味は分かっていなかったから、それに社長に気に入られているということは彼女には誇らしいことだったから、彼女にはなんとなく恐ろしい好きになれない老人と思えたくらいだったろう。北川は一番気の置けない好きといってもいいくらいのところだったが、どこか不真面目なところのあることは処女の敏感さで見抜いていたので、頼みにならない、どっちかというと少しばかにしていたのだった。野田は陰気なむっつりした男で、ときに卑屈に見えるところがあって、好きではなかった。けれども、彼には愛と熱と執拗とがあった。そうして、近代の恋愛哲理によれば「若きものは若きものに属す」である。ことに、純真可憐の少女に熱と執拗をもって迫るなら、成功せずにおかないだろう。