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きょうのしき
京の四季
和辻 哲郎
「新潮」1950(昭和25)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,914 字 · 16 页
枝の上の雪が崩れ始めれば、もう雪景色はおしまいである。だから市中に住んでいる人にこの景色を見せたいと思っても、見せるわけには行かなかった。
こういう雪景色と交錯して、二月の初め、立春の日の少し前あたりから、池の鯉が動きはじめ、小鳥がしきりに庭先へ来る。そういう季節が、紅葉と新緑とから最も距たっていて、そうして最も落ちついた、地味な美しさのある時である。昔の人はちょうどそのころに年の始めを祝ったのであった。
(昭和二十五年九月)