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きょうのなつげしき

京の夏景色

上村 松園

「塔影」1939(昭和14)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,419 字 · 5 页

青空文庫

何処の子もみな寄って来て揃うと年嵩な女の子が列をつくって、

※(歌記号、1-3-28)さーのやのいとざくら

ぼんにはどこにもいそがしや

ひがしのお茶屋の門口に

ちとよらんせ、はいらんせ

そんな可愛らしい歌をうとうて、ずっと二列に二人ずつ並ばして、小さな子供を先に、そこらの町内を練って歩く。小さな女の子にはそれが豪い楽しみなものでございました。

前にも申したうしろとんぼや、おたばこぼん、それからふくわげ、ふくわげと申しますのは阿波の十郎兵衛に出て来るお弓の結っている髪なのですが、そんな風な髪に銀で作ったすすきのかんざしやら、びいどろの中に水が入ってる涼しいのなどを※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)したりしてぐるぐるぐるぐる町内を練り歩いたものでした。何せその頃は明治もはじめの頃ですよって自動車だのバスだののややこしいものも通らしまへんよって、町の真中をずっと長く連なって歌って歩けたのでございました。

男の子は男の子で、

※(歌記号、1-3-28)よいさっさにゆきましょか

と、女の子よりはちょっと大きめの提灯の、これは白いのに同じように定紋つけたのを手に手に持ちながら、