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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

と、さすがの博士も、舌をまいた。

「博士はこれから、どうされるのですか」

「わしかね。わしは、やはり国境を越えて、フランスに入るつもりだ。君にあって、たいへんうれしいが、あと、ハンスのことが気がかりだが、仕方があるまい。では、君たち、わしの自動車に、一緒にのったがいい」

博士は、車上から手招きをした。

ニーナは、さっきから、道傍に身体をなげだして、死んだようになって、疲れを休めていたが、これを聞くと、むくむくと起きあがって、博士の自動車の方へ、よろめき歩いて行った。私も、ニーナにならうより外はない。しかし、この人造人間を、このままにしておくのは、たいへん勿体ないことだと思ったので、

「博士、この人造人間は、どうしますか」

と、たずねた。

博士は、車上にかがんで、受話器を耳にあてて、何かの音を聞いていたが、このとき髯もじゃの顔をあげ、

「この人造人間は、ここで片づけていく」

「片づけていくとは……」

「なあに、壊していくのさ」

「そんなことが出来るのですか」

「出来るとも。わしが設計したんだもの。しかもこのA型人造人間も、ハンスの持っているB型人造人間も、じつはどっちも、不完全なんだから、こわすのは、わけなしだ」