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じんぞうにんげんのひみつ
人造人間の秘密
海野 十三
「小学六年生」1940(昭和15)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页
ものすごい銃声だ。銃弾は、ひゅーン、ひゅーンと、呻りごえをあげて、私たちのまわりにとんで来る。私は、博士にうながされて、いそいで自動車上の人となった。
「見ていろ、千吉。今あの人造人間部隊を、一時にぶっつぶしてみるから」
博士は、しわがれたこえで叫ぶと、車上の器械のスイッチを入れて、釦をぽンぽンと押した。
「あれ、見よ!」
轟然たる音が、人造人間部隊の中から、起った。私は、今までに、こんな痛快な光景をみたことがない。一瞬のうちに、人造人間部隊は、ばらばらになって、空中に飛び散ってしまったのである。その有様は、飛行機の空中分解と、あまりかわらなかったが、しかし、これは、何百というA型人造人間が、一せいに分解して飛び散ったのであるから、その壮観な光景といったら、なんといってあらわしたがいいか、見当がつかないほどだ。
ドイツ軍が、人造人間で追撃させたことも、博士のために、無駄に終った。
大悪人だ
「さあ、この隙に、国境まで急行しよう」
博士は、自動車のハンドルをとった。私たちの乗った車は、空中にまい上ったA型人造人間の破片が、まだ地上におちない先に、国境向けて、疾走を始めたのであった。