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じんぞうにんげんせんしゃのきみつ

人造人間戦車の機密

海野 十三

――金博士シリーズ・2――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,501 字 · 19 页

青空文庫

それからこっちへ十年、遂にこの砂漠の一劃に、十年計画の重工業地帯が完成したのを機に、密使油蹈天をはるばる上海に遣して、金博士の最新発明になる“人造人間戦車”の設計図を胡魔化しに行かせたのであった。

今や工学士油蹈天は、大任を果して、めでたくこの砂漠へ帰ってきたのであった。醤の喜びは、察するに余りある次第であった。

「おい、油学士。見れば見るほどすばらしい製図ではないか」

醤は、どう褒めてよいか分らないから、製図の見事なところを褒めることにした。

「はい。それだけに、私の苦心の要ったことと申したら、主席によろしくお察し願いたい」

「それはよろしく察して居る。褒美には、何をとらせようか。カンガルーの燻製はどうだ」

「いや、カンガルーは動物園のような臭いがしていけません。――いや、それはともかく、想像していた以上に、これは実に立派にひかれた製図でございますが、更にその内容に至っては、正に世界無比の強力兵器だと申してよろしいと存じます」

「それで、わしには鳥渡分らんところもあるから、お前、この図について、報告せよ。一体、“人造人間戦車”とは、どんなものか」

とにかく御大将ともあれば、威厳をそこなわないことには、秘術を心得て居る。