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「にんげんせんげん」のうちそと
「人間宣言」のうちそと
前田 多門
「文藝春秋」文藝春秋新社、1962(昭和37)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,304 字 · 14 页
どうにもしようがないので、とうとう拙劣な文句のまま、お許しを願って世に公けにされる事になった。せっかく歴史的な「人間宣言」を発せられることであるから、文章も難易の別はさておいて、字句において相当推敲を加えたものであることを必要とされるが、それが出来なかったので、自分達の無力と何分焦眉の期日切迫のため、心ならずも、あのような次第となり、実はあの詔書を見るごとに、何か面伏せの感じを禁じ得ないのが私の実感である。
その後時勢の急進とともに、詔書類の文章もすべて平易に口語体という事になったが、あの当時もし専門家の参加があったとしたら、さらにむずかしい漢語が用いられていたかも知れないが、文章は見事なものになっていたであろう。
そういうようなことで、字句のことやらなにやらで、天手古舞いをした結果、漸く元日に発布されたが、楽屋話をすると、前日の三十一日まで、この字句は適当でない、これは間違っているということを話し合って、木下侍従次長に陛下のところに正誤のお許しをお願いして頂いたというようなこともあったように覚えている。
閣議の方はもう前日に付議されて通ったわけで、恐らくこの案は、最後に閣議にかかるまでは、外務大臣(吉田茂氏)のほかは他の閣僚は知られなかったのではないかと思うが、閣議に案がかかったときに、閣僚の銘々は、