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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页
に隠し、わしの配下に殺されるか、さあこの二つの道しかない! ……生きるつもりか、死ぬつもりか※(感嘆符疑問符、1-8-78) どうだ主税、どっちに致す!」
頼母は改めてまた主税を見詰めた。
しかし主税は返事さえしないで、憎しみと怒りとの籠った眼で、刺すように頼母を睨むばかりであった。
そういう主税を取り囲んで、まだ覆面を取らない五人の浪人は、すわといわば主税を切り伏せようと、刀の柄へ手をかけている。飛田林覚兵衛は例の気味の悪い、星の入っている眼を天眼に据えて、これも刀の柄へ手をかけながら、松浦頼母の横手から、主税の挙動を窺っていた。
部屋の気勢は殺気を帯び、血腥い事件の起こる前の、息詰るような静寂にあった。
「そうか」と頼母はやがて云った。
「物を云わぬな、黙っているな、ようし、そうか、では憂目を!」
覚兵衛の方へ顔を向け、
「こやつにあれを見せてやれ!」
覚兵衛は無言で立ち上り、隣室への襖をあけた。
何がそこに有ったろう?
猿轡をはめられ腕を縛られ、髪をふり乱した腰元のお八重が、桔梗の花の折れたような姿に、畳の上に横倒しになってい、それの横手に蟇かのような姿に、勘兵衛が胡座を掻いているのであった。