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いまにわれらも

今にわれらも

宮本 百合子

「農民の旗」1933(昭和8)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,681 字 · 4 页

青空文庫

「それは、どこでもだね」

と云った。

「木曾の方は又違った風で、えらい目をしている」

木曾は知ってのとおり山々が大抵御用林で、その山の根がたの住民の生計は炭焼き主だが、炭が俵二十何銭では一ヵ村かたまって炭の材料になる御用林の木を払い下げをして貰うことは出来ん状態になって来た。

さりとて木がなくては炭はやけず、損とわかっても炭をやかねば命が繋げないから、村では評議して、先ず何人か犠牲をきめておいて、御用林の木を〔六字伏字〕して炭にやいてしまう。村がそれでどうやら食って、犠牲者は仕方がない。ブタ箱行きである。そうして、やいている。

だから、今度の〔二字伏字〕が〔三字伏字〕の〔二字伏字〕だとふれても、一向ききめがないそうだ。人民が生計のためになくてならない枝一本でも、伐れば懲役に送られるんでは、〔二字伏字〕いと思えぬ、そう云って居るそうである。

日本はどんな田舎にでも電燈と小学校とはあると役人たちは自慢そうに云うが、電燈がこの頃の農村の何割にとぼっているか?

小学校六年を終る子供は半分以下で、三年四年がせいぜいのところだ。田舎から出て来る女工さんを見ればそれはよう分る。