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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

ところがその社長が言論界追放の該当者に指名されたとき、社長はその編集上の責任を回避して会計関係の責任者をもって身代りにした事実がある。その社長は経営者に編集権があるということを主張する場合には、インボデン少佐の解釈によるものだということを自分の主張につけ加えるのを忘れなかった。

用紙の不足は四六年下半期において割当用紙さえも配給難におちいった。用紙のヤミ取引は公然化した。講談社を含む一部の出版業者は石炭その他の生産資材を製紙業者に提供して用紙を買う物交手段に訴えるようになった。この方法は無制限に紙のヤミ値をつりあげ、非民主的な出版を拡大することになって各方面からきびしく批判されはじめた。極端な物交によって用紙配給のシステムを乱した出版社からは刑事上の責任者を出した。

用紙の危機は、用紙割当の業務を、従来の担当者であった商工省から内閣に移管するモメントとしてとらえられた。その理由は、用紙を生産品としてだけみて商工省に割当をまかせることは不適当である、用紙は文化資材であるから内閣が直接割当てるべきであるという見解である。用紙割当の内閣移管についても旧情報局関係者の活動があった。