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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

を行う者や、インフレーションによる生活不安と動揺とを人相見の意見や手相見の判断で落ち着こうとする者が少くない。カメラは浮浪児や夜の女やヤミ屋の若者のえがき出す街頭風景の中に占者の店をとらえている。

政府が一方で賭博を禁止しながら「宝くじ」の百万円の夢で人々のポケットから金を捲きあげた。投機的な気分が現世的利益の邪教に導びかれるのは当然である。一九四七年一月にジャーナリズムを賑わした「璽光尊」の出現は、その悲喜劇的面でよくこの間の事情をあらわしている。この巫女を中心とする璽宇教に、もっとも理性的な遊戯とされている「碁」の天才的チャムピオン呉清源が熱心な信者の一人になっていることも世人の注目をひいたし、日本の理智的な角力として有名だった双葉山がとりこになっていることも人々に意外の思いをさせた。

キリスト教 第一次ヨーロッパ大戦を世界のキリスト教徒は防ぐことが出来なかった。第二次ヨーロッパ大戦に際しても、キリスト教は悲惨をさけるために決定的な力を発揮しなかった。日本におけるキリスト教徒は戦争中極く少数の人々が戦争反対によって投獄されたり、活動の自由を奪われたりしていただけで、一般人民となんのちがいもなく戦争に協力さえしていた。