轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なにもの
何者
江戸川 乱歩
「時事新報 夕刊」時事新報社、1929(昭和4)年11月28日~12月29日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 38,449 字 · 77 页
これは波多野氏の見取図にもちゃんと現われています。そして、凡ての仕事が終ると、あなたは気を失って倒れた。或はその体を装ったという方が正しいかも知れません。足首の傷は決して軽いものではなかったけれど、命にかかわる気遣いはない。あなたの目的にとっては丁度過不足のない程度の傷でした」
「アハハハハハハ。成程成程、一応は筋の通ったお考えですね」と弘一君の声は、気のせいかうわずっていた。「だが、それ丈けの目的を果す為に、生れもつかぬ不具者になるというのは、少し変ですね。どんなに証拠が揃っていても、ただこの一点で僕は無罪放免かも知れませんよ」
「サアそこです。さっきも云ったではありませんか。甲田君を罪に陥すのも一つの目的には相違なかった。だが、本当の目的はもっと別にあったのです。あなたは御自身で臆病者だとおっしゃった。成程その通りです。自分で自分を射ったのは、あなたが極度の臆病者であったからです。アア、あなたはまだごまかそうとしていますね。僕がそれを知らないとでも思っているのですか。では、云いましょう。あなたは極端な軍隊恐怖病者なのです。あなたは徴兵検査に合格して、年末には入営することになっていた。