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さっかへのしんぷう

作家への新風

宮本 百合子

著作家組合にふれて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,109 字 · 3 页

青空文庫

いつの時代にでも、文学を愛し、それを生もうとする者は、金銭ずくではない。それだからこそ、社会労働のうちでも、最も複雑な、最も高い見地から人類の富の生産者と考えられなければならないものだろうと思う。最も自身の任務と価値との責任に目ざめた精神労働に従うものであることを、作家自身は知ってよいのではなかろうか。

税務署では、弁護士や医師と文筆家を並べて一つカテゴリーに入れている。自分のもとでで儲ける者としこの区分に入れている。作家はおとなしくその類別に従って来た。けれども、少し考えると妙だと思える。

作家は、大部分が出版企業に結びつけられて、真の儲けは、出版屋が吸いとっている。これは明々白々である。皮肉にいえば、粗末なタネであることを自ら知っている作家だけが、主観的に、タネの粗末さにしては儲けがある、と思うだけである。

文学を別格に生きて来たものは、出版企業の枠からしばしばあふれ出して、営利性を外から見る立場におかれて来ているから、文学の仕事がじかに民衆とその歴史のものであることを痛感せざるを得ないのである。

私としては労研のアンケートの最後に、著作組合はいらないかという問いがあったことについて感銘を受けた。