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びんじょうのずえ

便乗の図絵

宮本 百合子

「光」1948(昭和23)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,614 字 · 19 页

青空文庫

国会解散がいい出されているきょう、社会党につないでいた一般の期待が一つ一つと失われてゆくような事件があばかれることは、結局誰にとって有利なことであろうか。社会党はきわめて少数の人をのぞいて、政権をとるためには特権階級の利益をまもることで全く保守党と同一の立場をとった。それでも、純粋の保守的な政党からみれば、歓迎したい勢力ではないであろう。社会党が勤労階級の立場にたっているような身ぶりをしながら、実質は保守党とあらそって独占資本の番頭であろうとし、利をうかがってぬけ目ないことも、商売がたきとして見ればうすぎたない態度と見えよう。

永年の間あらゆる誹謗でおさえて来た共産党の性質が、まだ人民層にすっかり理解されつくさない間に、人民の日常感情がそこまで民主的になってしまわない間に、社会党にも絶望させられた民衆のあきらめた一票を、いそいで保守に集めてしまおうとすることは、果して誰も考えつかない種類のことだろうか。社会党を盗人の巣のように思わせ、そこにスポットを当て、わやわやと目に見える光景にばかり気をとられているうちに、日本の生産はいつの間にかポツダム宣言で武装放棄したにかかわらず何人かのために軍需化され、五年後には主要食糧生産の増加率よりも鉄の生産率の増大が計画されているとしたら、そういうたくらみを推進させつつ