轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はいゆうりんり

俳優倫理

岸田 国士

「演劇映画研究所での講義」1940(昭和15)年4月23日開始

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,412 字 · 104 页

青空文庫

だから、声も一つの肉体的素質の中に数えます。この声もまた容貌姿態と同じように、いい声とか、悪い声とかいうけれども、これは、例えば、音楽の方では、いい声と云えば、大体或る標準に基いて、優れた声ということを意味する。耳に快く響く声、つまり音楽に適した声です。しかし、芝居や、トーキー映画に於ては、俳優のいい声というものが、今日まで、それほどはっきりした標準をきめられていません。芝居なりトーキーなりに適した声と云っただけでは、どんな声か、まだよくわからない。

普通いい声という、そういう声が勿論、芝居やトーキーで悪いわけはありませんが、俳優としてやはり、いわゆる美しい容貌を恵まれている人と同様に、確かに、これは若干の強味であると同時に弱味でもあるのです。なぜなら、声がいいというだけで、その自分の声に余り頼り過ぎて、その声をほんとうに調節し、使いこなす修業をついお留守にします。つまり、声を相手に聞かせることだけで満足して、その声を使って、芝居で大事な、何を相手に伝えるかというその伝えるもの、伝える方法を軽く見てしまう危険がある。

この例も沢山あります。そこで声についてもう少し細かく話をしたいと思うのですが、この講義は実は倫理のお話ですから、それと関係のありそうなことだけを話すことにします。