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はいくとはどんなものか
俳句とはどんなものか
高浜 虚子
「ホトトギス」1927(大正2)年5~10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,046 字 · 99 页
頬の垂れることを腫れるといったところに太祇的の修辞法があるのであります。元禄ではみることの出来ない人事の写生であります。
「古草に」の句は、春の初め山路を歩くと、まだ枯れたままになっている去年の草に暖かに陽炎が立つ、というのであります。
「うしろから」の句は、自分が清水をむすんでいると、後から馬が長い面をぬっと出したというのであります。滑稽な句でありますけれども駄洒落の句ではありません。ただ事実を描写したのであります。
「今朝秋と」の句は、あの男は今朝立秋であると知らずに門を掃いているというのであります。実際立秋のころはまだ暑くて格別それと感じるような自然の現象が起こるのではないのでありますから、特に立秋ということを知っていなければ判らずにすんでしまうのであります。門掃く男がそれを知らずにいるということが、そばにそれを知って見ている人にとっては一層立秋の淋しさを感じるわけであります。この句はそこの心持をいったものと思います。
「霧の海」の句は夜霧か朝霧かわかりませんが、とにかく濃い霧が一面に立ちこめて霧の海となっている、その中を歩いているうちに幅の広い大きな町に出た、というのであります。