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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

その文字のうちでも、動詞、関係詞、形容詞、副詞等をつとめて節略する。「や」という字の如きは、この点において最も便宜な字で、例えば「春風や」という場合の如き「春風の吹くや」「春風の吹く日や」「春風の吹いて長閑なる様や」という如く、だんだん春風に伴う形容動作等が、この「や」の字一字に対して聯想されて来るように出来ている。何も「や」の字一字にさほど沢山の意味があるわけではないが、動詞や形容詞のあるべきを略して、名詞の次ぎに直ぐ「や」を置く事が、昔からの習わしになっているので、自然と「や」という一字に一種の特別な意味があるようになって来たのである。即ち俳句の文法の上に、こういう約束が成立っているのである。「元日や」も同様で、「今日は元日であるよ」「心地よい静かな元日よ」というような心持が「元日や」という五文字の内につづめられているのである。これは独り「や」の字ばかりの働きではなく、無論「元日」という文字に伴う聯想も多いのであるが、「元日の草の戸ごしの」というのと、「元日や草の戸ごしの」というのと、元日という感じを人の頭に起こす力の上に強弱がある。「元日や」