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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

また「或日」という初五字が働いているのである。

出代や稚心に物あはれ    嵐雪

嵐雪の句にはこういう優しみのある句が多いといわれているのである。出代というのは三月に年季奉公の男女が入り交る古来の習慣がある。今までいた奉公人は新らしき奉公人と入り交るために、長々の恩義を謝して暇を貰うて出て行く。新らしい奉公人はその古い奉公人の為し来ったことを少し見習って、その古い奉公人の出て行ったあとは自分で凡ての事に当るようになる。竈も昔の竈、七輪も昔の七輪、戸棚も昔のままの戸棚でありながら、其処にいる人間の変ったのを見ると、何となく、ものになじまぬようなうら淋しい心持のあるものである。それが大人であってもそうであるが、ことに子供で見ると、親しみなじんでいた昔のものが去って、なじみの薄い新しいものが来たのであるから一層もの淋しい心持がする。その上、そのなじみのある昔の奉公人のしみじみと主人に暇乞をして出て行くのを見ていると、まだ凡ての情の十分に発達していない稚いものでもさすがにあわれを覚える、その者をつかまえてこの句にしたのである。出代の句には前説明したように新旧の交代したことを咏じたもの、新らしく這入って来た男女のおかしみなどを咏じたもの等があるが、主としてこの句のように出て行く旧い傭人の方のあわれを叙したものが最も