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はいくはかくかいしかくあじわう
俳句はかく解しかく味う
高浜 虚子
「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页
よく見ると芙蓉の花の下にいたというのでむしろ美くしい句である。秋風としても色彩に富んだ珍らしい句である。
網をすくともし火あほつ秋の風 乙総
漁師か、そうでなくっても楽みに漁をするもの、もしくは網をすくことを商売としておるもの、と言ったようなものが、灯火の下に背を曲めてその網をすいておると秋風が吹いて来て、そのともし火を吹き動かすというのである。以上挙げたどの種類の人としても、固より世に時めいているものでなく、貧しげな暮しをしておるか、自ら世を韜晦しておるか、いずれかの人として淋しい心持がつき纒う、其処に秋風らしい心持があるのである。
秋風や捨てば買はうの越後縞 几董
越後縞というのは、どういう縞か知らぬが、とにかくそれを売りに来た男があるが、外に必要もないのであるから少しも買う気はない。しかし向うも持て余しているので捨て値でいいからどうか買ってくれという。そういう売買の応対が行われているというような場合に、何となくその縞の捨て売りにされているというところに、一種の淋しさを覚える。それが丁度秋風の頃で、いよいよその感じを強める、と言ったような場合である。