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ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

独眼武士在酷暑街头拦住一个怪婆婆,追问昔日恋人“沙金”的下落。一次偷盗让他们的命运纠缠不休,真相却比天气更灼人。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 48,934 字 · 97 页

青空文庫

「が、沙金は?」

この時、太郎のくちびるは、目に見えぬほど、かすかにひきつった。が、老婆は、これに気がつかなかったらしい。

「おおかた、きょうあたりは、猪熊のわたしの家で、昼寝でもしているだろうよ。きのうまでは、家にいなかったがね。」

片目は、じっと老婆を見た。そうして、それから、静かな声で、

「じゃ、いずれまた、日が暮れてから、会おう。」

「あいさ。それまでは、お前さんも、ゆっくり昼寝でもする事だよ。」

猪熊のばばは、口達者に答えながら、杖をひいて、歩きだした。綾小路を東へ、猿のような帷子姿が、藁草履の尻にほこりをあげて、日ざしにも恐れず、歩いてゆく。――それを見送った侍は、汗のにじんだ額に、険しい色を動かしながら、もう一度、柳の根につばを吐くと、それからおもむろに、くびすをめぐらした。

二人の別れたあとには、例の蛇の死骸にたかった青蝿が、相変わらず日の光の中に、かすかな羽音を伝えながら、立つかと思うと、止まっている。……

二

猪熊のばばは、黄ばんだ髪の根に、じっとりと汗をにじませながら、足にかかる夏のほこりも払わずに、杖をつきつき歩いてゆく。