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はたらくふじんのあたらしいとし
働く婦人の新しい年
宮本 百合子
「婦人画報」1940(昭和15)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,775 字 · 17 页
うと考えられる。これらの人々は、もしかしたら大した深い考えや気持もないままに、いわば時代の偶然として自分の前へひらかれた職業の門をくぐって行くのかもしれないと思える。あなた、どうするの? そう、じゃ私も母さんにいって勤めるようにしちゃうわ。そんな会話が、あるいは上級生の間にあるだろう。遠足か何かにゆくように、ねえ母さん、誰さんも、誰さんも、ゆくのよ、いいでしょう? ねえ。そういわれた母親たちは、それじゃあまア、すこし勤めて見て工合がわるいようだったらすぐにやめればいいから、勤めて見るのもいいだろう、と許す。そんな気にもなるだろう。一般がそうなれば、むしろ女学校を出て、上の学校に入るのでもなく、勤めもせず、これまでのように家にいる、と申告することにかえって何かの決心を求められるような心理になって来ると思える。何のために家庭にのこるのか、その理由が自分にはっきりわからなくては安心されない心になると思う。
物事の推移は微妙で同時におそろしい力をもっている。それは、この一つの気持の変化についても見られるのではないだろうか。
若い娘さんたちが、女学校を出てからあてのない朝夕を、緊張するだけの熱意ももてないお稽古ごとに過しつつ結婚を待っているというような暮しをやめて、学校からの続きのようにそれぞれのふさわしい職業に