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はたらくふじんのあたらしいとし

働く婦人の新しい年

宮本 百合子

「婦人画報」1940(昭和15)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,775 字 · 17 页

青空文庫

若くて真率な、何故? という問いこそ、その人自身を成長させる原動力だし、社会をすすめてゆく潜勢力ではないだろうか。

若い女性たちが、来年の春、おそらくは未曾有の数で職業についたとき、そして、半年か一年か経過したとき、その娘さんたちの心にははたしてどんな何故? が生れるであろうか、それをこそ知りたいものだと思う。それらの何故? が、現実でどう解かれて答えられてゆくかという実際にこそ、明日のその娘さんたちの生活とその総和としての明日の日本がかかっているのだから。

この問題のきわめて心をひかれる点は、そんなに多量に数十万人の若い女学校卒業生たちがともかく社会の勤労に向って招かれている一方では、女の職業というものを一時的に見る習慣がますます固執されていて、この間きめられた女子の賃銀の規定も、現在の平均が女の収入は男の収入のほぼ三分の一であるというところに立ったまま算出されていることである。そういう部面を専門に扱う役所の考えでは、もし女の収入を今よりも多くしたらば女が永く職業についていて男の妨げになるし、結婚の時がおくれて人口問題が生じるということだそうである。