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はたらくふじん

働く婦人

宮本 百合子

「改造」1940(昭和15)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,039 字 · 8 页

青空文庫

十四歳から四十五歳迄の女子に三ヵ月ずつ期間を区切って午前十時から午後三時迄日給六拾銭で工場の労働をさせる。もともと家庭婦人の動員を眼目にしているから托児所の施設をも条件とし、女の労働力の社会的吸収と同時に、労務管理の改善をも計るのが趣意とされている。働き先は、この場合にも軍需産業が第一位を占めている。調査に対して答えたこれらの家庭婦人たちの就職の動機は、銃後奉公、遊んでいてはもったいないという云いあらわし方が多数を占めているけれど、大部分の主婦たちが今後長くつづけて働きたいという希望をもっており、収入のつかい道は子供のための貯金、家賃米代が主であってみれば、昨今の物価高につれそこに彼女たちの労働の現実の微妙な生きた必要がうかがえると思える。

そんなに急に、多数の女が時局産業に働きはじめているのに、金属工、機械工の最高の稼ぎ高でさえも女は男より三分の一から半分の給料しかとっていないことも、目をひく事実である。女の体で出来ない仕事の種類もあって、そのための規定もつくられているのだが、女子の適正賃銀がきめられた結果、これ迄より一層収入が減って動揺している部分があるということも、ひとくちに、金が目あての心掛けではと云いすてることも出来まい。