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ぼくはこれからだ
僕はこれからだ
小川 未明
「新児童文化 第3冊」1941(昭和16)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,555 字 · 17 页
」
達吉は、あの、みんなから送られて、さびしい田舎道をいった父親の姿を思い浮かべました。苦しくなって、熱いものが胸の裡にこみあげてきました。しかし自分は、いま兵隊さんの前にいるのだと気がつくと、彼は、我慢して、じっと、雷鳴の遠ざかっていく空を見つめていました。そのうちに、雲が切れて、青い空があらわれはじめたのであります。
薪炭屋の勇蔵は、いよいよ昼間は役所の給仕を勤めて、夜は、勉強をするため、学校へいくことになりました。
ここは、町の近くにあった、原っぱです。子供たちが、夏の日の午後を楽しくボールを投げたり相撲をとったりして遊んでいました。小さな弟妹の多い勇蔵は、家にいれば、赤ん坊を負って守りをしなければならなかったのです。だから、勇蔵は、ボールを投げる仲間に入ることもできなかったので、ぼんやり立ってほかの子供たちの投げるのを見物していました。
そのそばへ達吉がやってきて、
「勇ちゃん、僕が、代わって赤ちゃんをおんぶしてやるから、君は入って、ボールをおやりよ。」と、いって、無理に勇蔵から赤ん坊を奪って、彼に好きなボール投げをさせようとしたのでした。