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はっけんでんだんよ
八犬伝談余
内田 魯庵
「南総里見八犬伝 下」日本名著全集刊行会、1928(昭和3)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,945 字 · 43 页
伏姫
念珠一串水晶明らか 西天を拝し罷んで何ぞ限らんの情 只道下佳人命偏に薄しと 寧ろ知らん毒婦恨平らぎ難きを 業風過ぐる処花空しく落ち 迷霧開く時銃忽ち鳴る 狗子何ぞ曾て仏性無からん 看経声裡三生を証す
犬塚信乃
芳流傑閣勢ひ天に連なる 奇禍危きに臨んで淵を測らず 歩敢て忘れん慈父の訓 飄零枉げて受く美人の憐み 宝刀一口良価を求む 貞石三生宿縁を証す 未だ必ずしも世間偉士無からざるも 君が忠孝の双全を得るに輸す
浜路
一陣の風送春を断す 名花空しく路傍の塵に委す 雲鬟影を吹いて緑地に粘す 血雨声無く紅巾に沁む 命薄く刀下の鬼となるを甘んずるも 情は深くして豈意中の人を忘れん 玉蕭幸ひに同名字あつて 当年未了の因を補ひ得たり
犬川荘助
忠胆義肝匹儔稀なり 誰か知らん奴隷それ名流なるを 蕩郎枉げて贈る同心の結 嬌客俄に怨首讎となる 刀下冤を呑んで空しく死を待つ 獄中の計愁を消すべき無し 法場若し諸人の救ひを欠かば 争でか威名八州を振ふを得ん
沼藺
残燈影裡刀光閃めく 修羅闘一場を現出す 死後の座は金を分ち 生前の手は紫鴛鴦を繍ふ月秋水珠を留める涙 花は落ちて春山土亦香ばし 非命須らく薄命に非ざるを知るべし 夜台長く有情郎に伴ふ