轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はっけんでんだんよ

八犬伝談余

内田 魯庵

「南総里見八犬伝 下」日本名著全集刊行会、1928(昭和3)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,945 字 · 43 页

青空文庫

六、七歳頃から『八犬伝』の挿絵を反覆して犬士の名ぐらいは義経・弁慶・亀井・片岡・伊勢・駿河と共に諳んじていた。富山の奥で五人の大の男を手玉に取った九歳の親兵衛の名は桃太郎や金太郎よりも熟していた。したがってホントウに通して読んだのは十二、三歳からだろうがそれより以前から拾い読みにポツポツ読んでいた。十四歳から十七、八歳までの貸本屋学問に最も夢中であった頃には少なくも三遍位は通して読んだので、その頃は『八犬伝』のドコかが三冊や四冊は欠かさず座右にあったのだから会心の個処は何遍読んだか解らない。(私には限らない、当時の貸本屋フワンは誰でもだったが)信乃が滸我へ発足する前晩浜路が忍んで来る一節や、荒芽山の音音の隠れ家に道節と荘介が邂逅する一条や、返璧の里に雛衣が去られた夫を怨ずる一章は一言一句を剰さず暗記した。が、それほど深く愛誦反覆したのも明治二十一、二年頃を最後としてそれから以後は全く一行をだも読まないで、何十年振りでまた読み返すとちょうど出稼人が都会の目眩しい町から静かな田舎の村へ帰ったような気がする。近代の忙だしい騒音や行き塞った苦悶を描いた文芸の鑑賞に馴れた眼で見るとまるで夢をみるような心地がするが、さすがにアレだけの人気を買った話上手な熟練と、別してドッシリした重味のある力強さを感ぜしめるは古今独歩