轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ろくがつ

六月

相馬 泰三

「早稲田文学」1913(大正2)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,673 字 · 37 页

青空文庫

中にはまだ雇われたてのがあって何か間違ったことをして、ひどく叱り飛ばされているのなどもあった。彼のいるすぐわきのところに、車井戸のような仕掛けで受付から郵便物だの通信類だのと運び上げるものがあって、それが間断なくギーギーきしッていた。それにつれてそれを知らせる鈴が幽かに鳴っていた。そしてそれがこの編輯局全体に一種の調子をつけているようにも聞かれるのであった。

編輯の卓は一面二面三面と順に長く三列にならべられてある。その奥に一段低くなって外務主任の大きな卓があり、それを起点にして二列に長く外歩きの記者たちの卓がずらりと規則正しく列べられてある。そのあたりには絶えず煙草の煙が朦々と立ちあがり、雑然とした話し声、何か急を報ずる叫び声、電話をかける間ののびた話し声、――それらに混じって誰がやっているものか朝から晩まで碁を囲む音がいかにものんきそうに、社の誰やらがよく言う「動中静あり」という言葉のようにパチリパチリと聞えている。

曽根は幸いその日は割り当てられる仕事がなかったので、煙草をふかしながらあたりを眺めまわしていた。

(事によったらこの部屋も今日が見おさめになるかも知れない)こんな気がして今さらのようにつくづくとあたりを見た。