轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくこく

刻々

宮本 百合子

「中央公論」1951(昭和26)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,401 字 · 73 页

青空文庫

が、留置場で見ていると、大抵の看守は、いきなり、

「通知人ありか、なしか」

と訊いた。または、

「ここへ通知人ナシと書け」

という。不馴れのものは、自分たちの権利のつかいどころを知らない。云われるままになるしか方策がない。今の場合、自分は、認定で送れるのだと云われても、ただ常識で、そんな不合理なことがあるか! と撥ねかえすばかりなのであった。

「大体、文化団体の連中は、ものがわかるようで分らないね。佐野学なんかは流石にしっかりしたもんだ。もっともっと大勢の人間がぶち込まれなけりゃ駄目だと云ってるよ。そうしなければ日本の共産党は強くならないと云っている」

大衆化のことを、彼等らしい歪めかたで逆宣伝しているのである。

押問答の果、中川は実に毒を含んでニヤニヤしつつ云うのであった。

「まア静かに考えておき給え。君がここでそうやって一人でがんばって見たところで、外の同志達はどうせ君ががんばろうなんぞとは思ってやしないんだから。――無駄骨だヨ」

その頃、前科五犯という女賊が入っていて、自分は栃木刑務所、市ケ谷刑務所の内の有様をいろいろ訊いた。栃木の前、その女は市ケ谷に雑役をやらされていて、同志丹野せつその他の前衛婦人を知っているのであった。