轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

「文芸倶楽部」1927(昭和2)年6月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 48,568 字 · 98 页

青空文庫

そのくせ窓には真鍮の棒が、無数に厳重に穿めてある。そうして窓のあるその壁にも、双龍珠を争う図が、黄色い色彩で描かれてある。いやいや双龍珠を争う、そういう図面は二ヶ所ばかりでなく、青く塗られた天井にも、板敷になっている床の上にも、他の二方の壁の面にも、ベタベタ描かれてあるのであった。それにしても双龍の争っている、珠の形の大きいことは! 直径二尺はあるだろう。そうして一体どうしたのだろう、時々その珠が忽然と、鏡のように光るのは? いやいや鏡のように光るのではなく、事実鏡に変わるのであった。誰がどうして変えるのだろう? もし誰か龕燈形の窓へ行きそこから外を覗いたなら、そこに真暗な部屋があり、そこに一人の人間がいて、絶えずこの部屋を覗きながら、その真暗な部屋の壁に、突起している幾個かのボタンを、時々押すのを見ることが出来よう。その男の押すボタンに連れて、珠が鏡に変わるのである。部屋の広さ三十畳敷ぐらいそこに幾個か円卓があり、円卓の周囲に榻がある。そこで勝負をするのだろう、この時代には珍らしい、トランプが幾組か置いてある。

だがもう一つこの部屋に続き、異様った部屋のあることを、ここへ来るほどの人間は、決して決して見落とすまい。