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じゅうにしこう

十二支考(下)〔全2冊〕

南方 熊楠

南方熊楠『十二支考(下)〔全2冊〕』。同一底本的分册已合并为一书。收入:十二支考、十二支考、十二支考、十二支考、十二支考、十二支考。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,906 字 · 495 页

青空文庫

、第3水準1-14-85)らしい猴の梵名は一向見えぬ。しかるに和歌に猴を詠む時もっとも多く用いるマシラなる名は古来摩斯※(「咤-宀」、第3水準1-14-85)の音に由ると伝うるはいぶかし。ところが妙な事は十七世紀の仏人タヴェルニエーの『印度紀行』に、シエキセラに塔ありてインド中最大なるものの一なり、これに附属する猴飼い場ありて、この地の猴をも近国より来る猴をも収容し商人輩に供餉す。この塔をマツラと称うと載せ、以前はジュムナ河が塔下を流れ礼拝前身を浄むるに便り善かったから巡礼に来る者極めて多かったが、その後河渓が遠ざかったので往日ほど栄えぬと述べあり。英国学士会員ボール註に、これは四世紀に晋の法顕が参詣した当時、仏教の中心だった摩頭羅国の名を塔の名と心得伝えたので、十七世紀のオーランゼブ王この地に入って多く堂塔を壊ったが、猴は今も市中に充満し住民に供養さるとある。法顕の遺書たる『法顕伝』『仏国記』共にこの地で仏法大繁盛の趣を書せど猴の事を少しも記さず。それより二百余年後れて渡天した唐の玄奘の『西域記』にはマツラを秣莵羅とし、その都の周り二十里あり、仏教盛弘する由を述べ、この国に一の乾いた沼ありてその側に一の卒塔婆立つ、昔如来この辺を経行した時猴が蜜を奉ると仏これに水を和してあまねく大衆に施さしめ、猴大いに