轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じゅうねんごのラジオかい

十年後のラジオ界

海野 十三

「新青年」1929(昭和4)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,890 字 · 4 页

青空文庫

「ときにAさん。」

「なんだいBさん。」

「十年経ったら、ラジオ界はどうなる?」

「しれたことサ。ラジオ界なんてえものは、無くなるにきまってる。」

「へえ、なくなるかい。――今は随分流行ってるようだがネ。無くなるとは、ヤレ可哀相に……。」

「お前は気が早い。くやみを言うにゃ、当らないよ。僕はラジオ界がなくなると言ったが、『ラジオ』までが無くなるとは、言いやしない。」

「ややっこしいネ、Aさん。そんなことが有り得るものかい。」

「勿論サ、Bさん。人間の生活に於ける水や火のように、これからの世の中は、ラジオがすべての方面の生活手段に、必需的なものとなってゆくのだ。『ラジオ界』などという小さい城壁にたてこもることが許されなくなる。一にもラジオ、二にもラジオで、結局、世界はラジオ漬けになるであろうよ。」

「ラジオ漬け――には、今から謝っとくよ。この懐しい世界が、あの化物のように正体の判らないラジオなんぞにつかってしまうと聞いては、生きているのが苦しい。僕はそんなことになる前に、自殺する方が、ましだ。」

「君には気の毒だがネBさん。自殺をしたって、ラジオは自殺者を追い駆ける。