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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

在线阅读泉 鏡花《南地心中(なんちしんじゅう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,205 字 · 79 页

青空文庫

が、真先に神輿を荷うた白丁はじめ、立傘、市女笠持ちの人足など、頻りに気にしては空を視めた。

通り筋の、屋根に、廂に、しばしば鴉が鳴いたのである。

次第に数が増すと、まざまざと、薄月の曇った空に、嘴も翼も見えて、やがては、練ものの上を飛交わす。

列が道頓堀に小休みをした時は、立並ぶ芝居の中の見物さえ、頻りに鴉鳴を聞いた、と後で云う。……

二十六

「宗八、宗八。」

浪屋の表座敷、床の間の正面に、丸田官蔵、この成金、何の好みか、例なる詰襟の紺の洋服、高胡坐、座にある幇間を大音に呼ぶ。

「はッ、」

「き様、逢阪のあんころ餅へ、使者に、後押で駈着けて、今帰った処じゃな。」

「御意にござります、へい。」

「何か、直ぐに連れてここへ来る手筈じゃった、猿は、留木から落ちて縁の下へ半分身体を突込んで、斃死ていたげに云う……嘘でないな。」

「実説正銘にござりまして、へい。餅屋店では、爺の伝五めに、今夜、貴方様、お珊の方様、」

と額を敲いて、

「すなわち、御寮人様、市へお練出しのお供を、お好とあって承ります。……さてまた、名代娘のお美津さんは、御夫婦これに――ええ、すなわち逢阪の辻店は、戸を寄せ掛けた明巣にござります。