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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
「少女倶楽部」1927(昭和2)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 页
玄女と猪右衛門とを追っかけて、処女造庭境へ入り込んだこと、そこの住民に捉えられたこと、今日迄監禁されたこと、しかし優待されたこと、玄女や猪右衛門の手許から、処女造庭境の連中が、例の人形を奪ったこと、そこで自分が申し出て、人形の眼を押させたこと、すると人形が叫んだこと、
「唐寺の謎は胎内の、肺臓の中に蔵してあろうぞ」と、
そこで人形を断ち割って、その肺臓をしらべた処、一葉の紙のあったこと、そうしてその紙に次のような、数行の文字が書いてあったこと、
「多聞兵衛死せる場合、決して死骸を焼く可らず、左右の胸を調ぶ可きこと、一切の謎おのずから解けん」
「その肝心の多聞兵衛殿は、気の毒な変死をした上に、南蛮寺へ葬られてしまった。左右の胸を調べるとなると、なるほど土から掘り出さなければならない。大変な役目を引き受けたものだ」
右近丸は都へ下って行く。
都へ入ったのは間もなくであった。
夜分は南蛮寺はとざされている。
翌朝行かなければならなかった。
そうして翌朝行った時、驚くべきことが発見された。
死んだと思っていた多聞兵衛が、死なずに活きていたのである。
のみならず娘の民弥までいた。