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はんこう

反抗

豊島 与志雄

「国民新聞」1921(大正10)年8月4日~11月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,121 字 · 282 页

青空文庫

それを、保子は勝手に引廻した。

隆吉の方の用が済むと、彼女は彼に遊んでいらっしゃいと云った。彼は彼女の側に腰を落着けた。取留めもない世間話をした。夕方になると、御飯を食べていらっしゃいと彼女は云った。御馳走がありますかと彼は尋ねた。その御馳走が出来る間、彼は庭をぶらついたり、寝転んで雑誌を読んだり、隆吉を相手にしたりした。横田と将棋をさすこともあった。食後横田が書斎に退いても、彼は立ち上らないことが多かった。隆吉や時には女中をも交えて、トランプをしたり、五目並べをやった。仕事を済した横田がそれに加わると、帰るのがなお後れた。漸く帰りかけると、もう遅いから泊っていらっしゃいと保子が云った。いや帰りますと彼は答えた。そんなら幾日に来て頂戴と保子は云った。その日に障子を張りかえるのだった。彼は約束通りにやって来た。女中達と一緒になって、障子の骨を洗ったり紙を張ったりした。庭の松の元気がなさそうなのを見ると、彼は自分からその青葉を※(「てへん+劣」、第3水準1-84-77)りに来た。そのお礼に寄席へ連れて行かれた。横田と隆吉とを加えて四人で行った。帰りに彼は家の前まで送ってきた。