轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おじ
叔父
豊島 与志雄
「改造」1925(大正14)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,585 字 · 24 页
その中を、喜代子は少し遅く八時半頃やって来た。九月の時よりも、雀斑は少し多くなったように見えたが、寒気に触れた頬の皮膚が澄んで、一層美しく見えた。
「叔父さまに、折入ってお願いがあって、参りましたの。」
その折入ってなどという言葉と、それにつれての物腰とが、中野さんの注意を惹いた。
「何だよ、話してごらん。」
「実はこんなことを、叔父さまにお願いは出来ないんですけれど……。」
そして喜代子が途切れ途切れに云い出した願いというのは、二百円借してほしいということだった。――笹部と同棲してから二階をかりてる、そこの主人一家が、二十五日頃までに大阪へ引上げてしまう。所が二ヶ月ばかり下宿料の借りが出来てるので、是非ともそれを払わなければならないし、よそへ引越すのにもいろいろ費用がかかるし、正月の仕度も少ししなければならない。どうしても二百円ばかり足りないから、笹部が方々奔走したけれど、年末のことで思うようにゆかないのだそうだった。
「今更自分の家へも頼みに行けませんし、また笹部も、私達のことから国の家とは少し仲違いになってるものですから、ほんとに困ってしまいましたの。