轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふるいこよみ

古い暦

長谷川 時雨

私と坪内先生

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,097 字 · 5 页

青空文庫

鴎外先生は、坪内さんが「新曲浦島」を許すのならば、私は史劇「曾我」を書いてやろうと大乗気、漱石先生は、森さんが何か書いてくれるといったろうといいあてられて、機嫌よく笑われたりした。顧問という下へ署名して、鴎外先生は奥さんの茂子さんに、印をもって来ておくれといわれ、漱石先生は傍らにおられた津田青楓氏に、その中から出して捺してあげておくれと、種々な印が、沢山にはいっていた袋――たしか袋だったと思ったが――を差示された。

逍遥先生は真っさきのお願いであったし、客間ではあり、言出すのに、ほかの方とは異った怖さ――在来の歌舞伎劇にものたりず、新しい気組で、興行ではやれない劇を――しかも、振事劇をも研究的にやりたいということをどう言現してよいか、一番むずかしく言いにくく怖かった。それに大胆にも、「新曲浦島」のある場面を、先生のお手をかりず、自分たちで作曲からすべてやらして頂こうというのだから、兎もかくもやって見ろとお許しの出るまではビクビクしていた。坪内先生は、他のお二人とは違って、笑い顔どころでなく、真剣に、腕組みをして、じっと聞いてくださっていて、暫く黙してのち、何も彼もお聴許になった。