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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
佐々木味津三『右門捕物帖(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 页
「だから、あの坊主がくせえっていうんですよ。ね、あっしがお番所の者だといったら、やにわと逐電しちまいましたぜ」
「えッ、そりゃほんとうかい」
「ほんとうにもうそにも、だからこうやって、あっしひとりでけえったんじゃござんせんか」
「じゃ、なにか事件のことをにおわしたんだな」
「ところが、そいつがおおちげえなんですよ。どうやら、生臭坊主うたたねをしているようすだったからね、いきなり庫裡のほうへへえっていって、ちょっとお番所でききたいことがあるから、八丁堀まで来てくんなといったら、野郎むくりと起きざまに青くなって、そのままやにわとずらかってしまったんですよ」
「なるほどな、少しにおいがしてきたかな」
「においどころじゃねえんですよ。だから、久しぶりでひとつ、だんなの鼻をあかしてやろうと思ってね、近所の者にこっそり身がらを当たってみたら、なにをかくそう、あの生臭坊主がくまっていう名だそうですぜ」
「なに、くま! そりゃほんとうか!」
「ちゃんとこの耳でいま聞き出してきたばっかりだから、まちがいっこありませんよ。ちっと変な名なんですがね。永守熊仲っていうんだそうですぜ」
事実としたら、八丁堀の者と聞いて、やにわに逐電した点といい、その名に熊という呼び文字があるぐあいといい、少なくも今の場合の最も有力な容疑者に思われだしたものでし