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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

佐々木味津三『右門捕物帖(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 页

青空文庫

むしろ、こうなると、がってんの伝六とでもいうほうが適当なくらいですが、しかし右門は反対に、もうそのときは林のごとく静かでした。面の清らかなることはまた天上の星のごとくに清澄で、騒がずにおのがお小屋に帰っていくと、ごろり横になりながら、自信そのもののごとくに、すぐと毛抜きを取り出したものでした。

2

待つことおよそ小半とき――。日はうららにもうららかな孟春四月の真昼どきでした。そして、案の定、右門のにらんだずぼしは、まちがいもなく的中したのです。

「偉い! さすがに目が高い!」

肩息で駆けかえりながら、汗もふかずに、まず伝六がずぼしの的中を証拠だてたので、右門もようやく手から毛抜きを放しました。しかし、ことばは氷のごとく冷ややかでした――。

「どうだ。さかなは大きかったろう」

「大きいにもなんにも、まるで怪談ですぜ」

「つじ切りか」

「どうしてどうして、これですよ。これですよ」

話すまもぶきみにたえないといいたげな身ぷりをしながら、手まねでこれといったので、そのこれといった伝六の指先でさし示している方角を見守ると、右門の眼光は同時にぎろりと光って、ことばに鋭さが加わりました。