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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
佐々木味津三『右門捕物帖(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 页
「なんでござります」
「お偉くなると、お心がけも変わるとみえるよ。正月の二日といえば、上役同僚おしなべて年始に参るが儀礼じゃ、縁もゆかりもない手下の小奴がくたばったぐらいで、服喪中につき、年賀欠礼仕候と納まり返っているは、さすがに違ったものじゃというのさ」
じつにいやみたっぷりな言い方でした。それとはっきりはいわなかったが、つまりは先輩のおれのところへ、なぜ年始に来ぬかという遠まわしの詰問なのです。だが、名人の返事がまたたまらない。皮肉というよりも、じつにあざやかな揶揄でした。
「では、貴殿のところへだけ参ってごきげん取り結ぶために、ひとつおせじを使いますかな。お追従を申しておくと、これからさき憎まれますまいからな」
「憎まれますまいからとはなんじゃい。身どもがこうして参ったは、憎まれ口ききに来たのではないわ。さぞかしうらやましゅうなるだろうと思うて参ったのじゃ。人が年始回りをするときはな、人並みのことをしておくものでござるぞ。お奉行さまのところへ年賀に参ったればこそ、この敬四郎も年初めそうそう大役を仰せつかったわ。どうじゃ、くやしいか」
奥歯に物のはさまったようなことばを残しながら、すうと立ち去っていった姿を見ながめて、ことごとくあわてだしたのは伝六です。