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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

佐々木味津三『右門捕物帖(四)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 页

青空文庫

「いってらっしゃいまし。どうぞごゆっくり。船頭さん、しっかりたのむよ」

「おいきた。だいじょうぶだよ」

拾いこむようにして娘を乗せると、奇怪な舟は艫音を急がせながら、ぐんぐんと大川を上へのぼりました。

入れ違いにまたひとり。

しかし、今度は三十すぎた奥方ふうの女です。

「ごゆっくりどうぞ……」

送り出したあとから、またひとり女の姿が、黒板べいの口をくぐって現われました。さらに年のふけた五十近い金持ちの後家らしい女です。

その舟も同じように、艫音を急がせながら、忍びやかに大川を上へ上へとのぼりました。

つづいてまたひとり。

これは二十二、三のあだっぽい鉄火者でした。

あとから女がまたひとり。

入れ違いに、やはり女がまたひとり。

最後に出てきた女は、まさしくどこかのお屋敷勤めの腰元らしい中年増です。

名人右門の目は、電光のように輝きました。

いってらっしゃい。ごゆっくりどうぞ、と意味ありげにいった声も奇怪です。出てきた七人が七人ともに女ばかりだったのも奇怪です。

そのうえに、舟はいっせいに上へ上へと前後して川をのぼりました。

しかも、舟にはしめなわが張ってあるのでした。