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よしだしょういん

吉田松陰

徳富 蘇峰

「国民之友」1892(明治25)年5月~9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 135,622 字 · 269 页

青空文庫

一、右数条余徒に書するにあらず。天下の事を成すは、天下有志の士と志を通ずるに非ざれば得ず。而して右数人は余この回新たに得る所の人なるを以て、これを同志に告示するなり。また勝野保三郎早や已に出牢す。ついてその詳を問知すべし。勝野の父豊作、今潜伏すといえども有志の士と聞けり。他日事平ぐを待って物色すべし。今日の事、同志の諸士、戦敗の余、傷残の同志を問訊する如くすべし。一敗乃ち挫折する、豈に勇士の事ならんや。切に嘱す、切に嘱す。

一、越前の橋本左内二十六歳にして誅せらる、実に十月七日なり。左内東奥に坐する五、六日のみ。勝保同居せり。後勝保西奥に来り、余と同居す。余勝保の談を聞いて、益々左内と半面なきを嘆ず。左内幽囚邸居中『資治通鑑』を読み、註を作り漢紀を終る。また獄中教学工作等の事を論ぜし由、勝保余にこれを語る。獄の論大いに吾意を得たり。予益々左内を起して一議を発せんことを思う。ああ〔恐らくは松陰以上の人ならん〕。

一、清狂の護国論及び吟稿、口羽の詩稿、天下同志の士に寄示したし。故に余これを水人鮎沢伊太夫に贈ることを許す。同志それ吾に代ってこの言を践まば幸甚なり。