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ラマのゆくえ
喇嘛の行衛
国枝 史郎
「秘密探偵雑誌」1923(大正12)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,238 字 · 21 页
でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)話めいたことをさも一大事でも聞くようにホートンは熱心に聞き澄した。
琅玉が室から出て行くと、夫れと引き違いに長老がむずかしい顔をして這入って来た。
「よい手掛かりでも得られましたかな!」馬袁長老は斯う云った。
「左様」とホートンは皮肉な目を長老の顔へ投げながら、
「無類飛切のよい手掛かりをあの上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)から引き出しました。その手掛かりを基礎として私の想像を働かせた結果、私は貴郎へ斯ういう事だけは申上げられようかと思います……それは他でもありません、陛下が行衛を晦まされたのは陛下自身の意志と云うより長老方の意志である――と云うことでございます。それにもう一つ、この私を、宮中へ召されたというものも、陛下を捜そう為ではなく陛下と一緒に紛失した玉璽を捜そうためであると、斯う云うことでございます……それで私は謹んで馬袁長老にまで申上げますが、ご安心遊ばせ、※(「口+二点しんにょうの達」、第4水準2-4-40)※喇嘛陛下は二度と宮中へは帰られますまい。それからもう一つご安心遊ばせ、玉璽は其中長老方のお手に必ず入りましょう。