轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちじょう
地上
島田 清次郎
地に潜むもの
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 175,250 字 · 350 页
君の真価値をそんなに誰でもが知ったらそれこそ迷惑さ。君の身体は弱い。君の容貌はなる程醜い。しかし君の内なる魂の偉大はそうしたものを内から輝かしているはずだあね」
(君の身体は弱い、君の容貌は醜い)と兄の前ではっきり言い得るだけの人間は俊太郎一人であった。お光はそうした瞬間には俊太郎に親身の兄のような愛を感じた。そうして事実彼は綾子の夫として将来彼女の兄となるべき筈でもあった。
「それは淋しくて切ないことだ。しかし、それは既にどうにもならない自然の運命。恨むのはいいが、恨むことに囚われて自由な路を見失うのは愚だ――君の親爺はどうして君を愛さないものか。ただ君の内なる親爺自身を見出すのが辛いから、自分を恐れて君につらく無情らしくあたるのに相違ないのさ。それよりか己の親爺と来たら、ほんとに考えても涙がこぼれる。酒は飲む、博奕は打つ、ああ己が七つ八つの時分から朝の暗いうちから起きて飯を焚いて、味噌汁をこしらえて、それから親爺様御飯が出来ましたと言って起こして行くまで床にいて起きなかったのだからね。勿論己の嘗めて来た苦しみと君の嘗めなくてはならぬ苦痛とはまるで本質が違うことはちがう。